水曜日, 6月 13, 2007

たまてばこ

釣りをしているときの時間の流れは速い。
とい言うよりも時間という概念がない。


思いきって3連休をとった先週末。
ずっと釣りに行こう、とことん釣りしよう、ってマジで決めていた初日は、雷雨。
それでも行ったけど、大雨で刻々と増水する水量(福島では釣人の車水没)。
さらに、どこかの著名人の結婚記者会見ごとき、断続的な閃光。

近代の釣竿はハイテクで、長く軽くねばりがあるカーボン(炭素繊維)素材だから、伝導効率が超よい。
だから、雷の日は釣り厳禁だ。
次の日も降り続く雨にいら立つ。

しかし最終日。
予報は曇り。
遠足前の小学生みたいにドキドキして、前の晩2時に寝たのに朝5時前には目がさめた。
耳を澄ます。
雨、やんでる。

速攻着替え、竿やビクやその他もろもろの機材はとっくに準備してある車に飛び込んで。

釣り場への道の途中でコンビニへ寄る。

こんな早朝だというのに、フィッシングベストを着たおいさん達(60代)が、朝のコンビニにウロウロしていた。
そっか、今日は鮎釣りの解禁日。
僕は渓流釣りしかできないけど(今の所)。
熱い缶コーヒーとチリドッグをレジに出しながら、おいさん達を横目で見る。

渓流釣りや鮎釣りをしない人にはちょっとわからないだろうけど、
おいさん達の、無表情に朝メシを選ぶ横顔にひしひしと伝わる『熱さ』。
なんて言ったらいいだろうか、このカンジ。
べつに熱く朝ご飯を選んでるわけじゃない。

渓流釣り(アマゴを狙う釣り)や釣りには禁漁期間(釣ってはいけない期間)がある。
それが終わった日(解禁日)は、ずっと、何ヶ月も前から釣りてーつりてーって想いを馳せていた、その想いが果たせる日。
だから、おいさんたちの言葉や、行動や表情になくっても、なんかひしひしと伝わってくる。
それは目に見えることじゃない。

いい大人がさ、目を輝かせて、朝真っ暗なうちから起きて真剣に遊びにいく。
もしかしたら眠れなかったかもしれない。
ずっとこの日を楽しみにしてたんだ。
自分と同じように。

僕はそんな、釣りってもんが好きだ。
そんな人達が集まる、この川が好きだ。
そんな、この暁が好きだ。


霧で霞む釣り場について、竿を伸ばし、準備してあった仕掛けを結ぶ。
次にえさ取り。
アマゴは川の石の裏に住んでいる「川虫」がダントツ釣れるので、必ず、ほんとは前日なんかにその虫を獲っておかねばならない。

エサをつけ、仕掛けを振込み、何度か仕掛けを流したあとに、またエサを付け替えて振り込む(川虫はすぐ死んでしまい、死んだ虫を魚は食べない)。
何10回も、何100回も。
釣り場を点々と移動する。
ぽつり、ぽつりと魚が釣れる。
アマゴという魚はとても美しい魚体をしている。
とくに天然のアマゴは純銀に濃紺パーマーク(斑点)が、展示用のサファイヤより遥かに深い。


すこし経って、なんか腰がいてーなっと思う。
ぽっけにしまっていた携帯を出して、ついでにタバコを噛みながら時計を見る。
時刻は午後4時を過ぎていた。
そろそろ昼かなーって思ってた。
10時間近くも、飲まず食わず、休み無く。

釣りっていうもんは、時間の外にあるようだ。

土曜日, 6月 02, 2007

里山の袋夏号


『季刊 里山の袋』夏号が発行。
岐阜県・郡上の里山の魅力を伝えたい、と願う冊子。私も1-2pと表紙写真を担当。
表紙は八幡町島谷の井戸。
現在も使われつづけている。

川遊びや郡上踊り、そして畑。郡上の夏に触れられます。


興味ある方はHPをご覧ください。